5月、作業のため安曇野市の天蚕飼育林を訪れました。周辺にある水田では水が入れられ田植え作業が始まっていました。
天蚕飼育もいよいよ「山付け」が始まりました。山付けは天蚕の卵を糊付けした紙帯をクヌギの枝につける作業です。孵化した幼虫がすぐに柔らかな葉を食べられるように時期を見計らっています。



山付け作業の前には様々な準備作業があります。安曇野市天蚕振興会の方々や研究室の学生と協力しながら進めています。天蚕の病気発生を防ぐために、土壌の火炎消毒、飼育樹への石灰散布、マルチシート張りをしています。かなりの手間がかかりますが、以前は病蚕が多発していたということで対策を徹底して被害を減らしていくことを目的としています。その後はパイプハウスへのネット掛けを行います。野鳥などの侵入を防ぐためです。
また、近年は安曇野地域全体でサルによる農作物への被害が増加しており、クヌギのハウスへも侵入し天蚕が被害にあっています。通常の鳥よけネットでは破られるので、サル対策用の強化ネットをさらに掛けることとなりました。




7月に無事に繭を収穫できることを祈りつつ、気の抜けない管理作業が続きます。繊維学部のある上田市から安曇野市まで車で1時間と少し。毎回の作業に行くのは大変ですが、たまには「安曇野グルメ」を楽しむことにしています。飼育林や天蚕センターの近隣にはとても美味しい蕎麦屋やラーメン屋さんが何軒かあります。次はどこで何を食べようか新しい店は無いか、行くたびに気になっています(もちろん天蚕の様子も)。