エリサンの飼料としてキャッサバを利用しようとする試み
2010年頃よりキャッサバによるエリサン飼育に関する相談が本学の産学連携室に来ていましたが、当時は人工飼料やヒマによる飼育を試みている段階で、まだキャッサバの栽培はしていませんでした。しかし、近年国内でキャッサバの生産者が現われはじめ、それに伴い、エリサンを活用したいという声も届くようになりました。
そこで、野蚕研究センターもキャッサバを露地栽培しエリサン飼育に活用できないか試みてみることにしました。
キャッサバはもともと熱帯から亜熱帯の気候で栽培される植物であり、長野県の寒い気候で露地栽培が可能かどうか心配な点はありましたが、本学附属農場の技術職員と協力し、農場の一角で露地栽培を行いました。
購入した苗は、気温が安定してきた5月中旬に定植し、同年11月まで栽培試験を行いました。キャッサバの成長はヒマよりもゆっくりとしたものでしたが、7月ごろには1.5mほどまで成長し、8月に入ると草丈2.0mを超えて良く茂りました。11月になると最低気温が氷点下となり葉がしおれ始めたので芋を収穫しました。一株で数キログラムの芋が収穫でき、学生らとともにタピオカを作るなど調理して美味しく食べることができました。
農場では初めての作物でしたが、やはり気温条件から十分な生育とは言えない結果となりましたが、全くできないわけでは無いことも分かりました。2024年度にも引き続きキャッサバ栽培とエリサン飼育を継続していきます。


