附属農場は、学部及び地域社会と連携しつつ、繊維関連動植物の保存・栽培・育成やその利用方法の探究、または未利用有機資源の有効利用に役立つ微生物の探索などフィールドサイエンスに関わる分野の研究利用を積極的に推進しています。

研究紹介 

様々な蚕の品種

桑・蚕を有効に利用する研究

繊維学部  梶浦 善太 教授

 構内農場において、カイコ(白や黄色の繭)を飼育し、研究や教材に利用しています。

 大室農場では、ヤママユ(緑色の繭)の優良な系統を育成しています。また、サクサン(薄茶色の繭)を保存しています。


塩害に強いイネを作る

植物の耐塩性機構に関する研究

繊維学部  堀江 智明 教授

 近年、世界農業で急速に進行する農地の塩類集積によるイネを含む農作物の減収(塩害)を抑止するために、植物の耐塩性機構の解明を試み、耐塩性イネの作出を目指しています。


 枯草菌の細胞壁と細胞膜は、高分子量のテイコ酸で修飾されています。細胞壁テイコ酸がなくなると細胞は膨張し、細胞膜テイコ酸がなくなると長くつながった形態を示します。これらの結果から、テイコ酸は細胞の機能維持に重要な役割を果たしていることがわかります。

微生物資源の有効利用に関する研究

繊維学部  山本 博規 教授

 枯草菌は古くから研究されている微生物で、病原菌から植物を保護したり、有機物の堆肥化や汚水の浄化などに役立っています。また産業面でも、酵素やビタミン類、抗生物質等の有用物質生産に利用されている微生物です。
 このような背景から、枯草菌が持つ潜在能力を最大限に活用するために、細胞表層成分が担っている機能の解明や、タンパク質の分泌・局在機構に関する研究を進めています。将来的には、類縁細菌が持つ遺伝子資源の有効利用や、病原性細菌の効率的な防除システムの構築等に応用できる技術の開発を目指しています。


シルクタンパク質の活用技術に関する研究

繊維学部  玉田 靖 特任教授

 シルクの医療分野を超えた新しい利用技術の開発を中心に研究を進めています。最近の研究ではシルクから作った材料が再生医療で細胞の足場として良い性質を示すことが多く報告されています。シルクの医療分野への活用を目標に機能性シルクの創出を目指しています。


繊維作物の遺伝資源ゲノム情報の利用

基盤研究支援センター(遺伝子実験支援部門)  松村 英生 教授

 附属農場において維持されている数百系統の桑遺伝資源について全ゲノムDNA配列情報の収集を行い、それらを比較することで桑品種の遺伝的多様性を解明します。さらに各品種の機能性成分等も含めた特性を解析し新しい栽培技術も活用しながら桑遺伝資源の新規利用を目指します。